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GitLabとは
GitLabは、DevOpsプラットフォームとして設計されたWebベースのGitリポジトリ管理ツールです。2011年にDmitriy Zaporozhetsによって開発されたオープンソースプロジェクトとして始まり、現在は統合開発環境として幅広く利用されています。
GitLabの最大の特徴は、ソースコード管理からデプロイまでの全工程を一つのプラットフォームで完結できることです。単なるGitリポジトリホスティングサービスを超えて、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デプロイ)、プロジェクト管理、セキュリティ機能などを統合したDevOpsソリューションを提供しています。
主な機能
1. Git リポジトリ管理
- 無制限のプライベートリポジトリ:個人・チーム問わず利用可能
- ブランチ管理:Git Flowやその他のワークフローをサポート
- マージリクエスト:コードレビューとマージプロセスの管理
- フォーク機能:オープンソースプロジェクトの協力開発
2. CI/CD パイプライン
- GitLab Runner:自動ビルド・テスト・デプロイ実行
- .gitlab-ci.yml:YAML形式でのパイプライン設定
- Auto DevOps:設定なしでCI/CDパイプラインを自動生成
- Kubernetes統合:コンテナベースのデプロイメント
3. プロジェクト管理
- Issue管理:バグ追跡、タスク管理、機能要求
- マイルストーン:リリース計画とプロジェクト進捗管理
- Wiki機能:プロジェクト文書化
- 時間追跡:作業時間の記録と分析
4. セキュリティ機能
- セキュリティスキャン:静的・動的アプリケーション解析
- 依存関係スキャン:脆弱性のある依存関係の検出
- コンテナスキャン:Dockerイメージのセキュリティ検証
- SAST/DAST:アプリケーションセキュリティテスト
GitHubとの違い
主な相違点
統合性
- GitLab: DevOpsツールチェーンがオールインワンで統合
- GitHub: サードパーティツールとの連携が必要
CI/CD機能
- GitLab: 標準でCI/CD機能を内蔵
- GitHub: GitHub Actionsは後から追加された機能
セルフホスティング
- GitLab: Community Edition(CE)で完全なセルフホスティング可能
- GitHub: GitHub Enterprise Serverは高額
プライベートリポジトリ
- GitLab: 無制限のプライベートリポジトリが無料
- GitHub: 現在は無料だが、過去には制限があった
使い方とベストプラクティス
1. プロジェクトの始め方
- 新規プロジェクト作成:GitLab上でリポジトリを作成
- ローカルクローン:
git clone
でローカル環境に複製 - README.md作成:プロジェクトの概要と使用方法を記載
- .gitlab-ci.yml設定:CI/CDパイプラインの定義
2. チーム開発のワークフロー
- ブランチ戦略:Git FlowまたはGitHub Flowの採用
- Issue作成:タスクやバグをIssueとして管理
- マージリクエスト:コードレビューとマージプロセス
- 自動テスト:CI/CDパイプラインでの品質保証
3. セルフホスティングの注意点
- サーバー要件:適切なスペックのサーバーが必要
- バックアップ戦略:定期的なデータバックアップ
- セキュリティ対策:SSL証明書やファイアウォール設定
- アップデート管理:定期的なバージョンアップデート