CSRF

セキュリティ | IT用語集

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CSRFとは

CSRF(Cross-Site Request Forgery、クロスサイトリクエストフォージェリ)とは、ユーザーが信頼するWebサイトに対して、ユーザーの意図しない不正なHTTPリクエストを送信させるWebアプリケーション脆弱性の一種です。攻撃者は、ユーザーがログイン状態にあるWebサイトに対して、悪意のあるリクエストを実行させることで、パスワード変更、データ削除、不正送金などの操作を行わせます。

CSRF攻撃の仕組み

1. 攻撃のシナリオ

ユーザーが銀行サイトにログインした状態で、攻撃者が用意した悪意のあるWebサイトを訪問すると、そのサイトから銀行サイトへの送金リクエストが自動的に送信される、といった攻撃が典型例です。

⚠️ 攻撃例:悪意のあるHTMLフォーム

<!-- 攻撃者のサイトに埋め込まれた悪意のフォーム -->
<form action="https://bank.example.com/transfer" method="POST">
  <input type="hidden" name="to" value="attacker-account" />
  <input type="hidden" name="amount" value="10000" />
</form>
<script>
  document.forms[0].submit(); // 自動送信
</script>

2. 攻撃が成功する条件

  • ユーザーが対象サイトにログイン状態である
  • 対象サイトがCSRF対策を実装していない
  • 攻撃者が対象サイトのリクエスト形式を知っている
  • ユーザーが攻撃者の用意したサイトや悪意のあるメールを閲覧する

CSRF対策手法

1. CSRFトークン

最も一般的で効果的な対策です。各フォームにランダムなトークンを含め、サーバー側でトークンの妥当性を検証します。

<!-- HTML側:CSRFトークンをフォームに埋め込み -->
<form action="/transfer" method="POST">
  <input type="hidden" name="csrf_token" value="{{ csrf_token }}" />
  <input type="text" name="amount" />
  <button type="submit">送金</button>
</form>

// サーバー側(Node.js例):トークン検証
app.post('/transfer', (req, res) => {
  if (req.body.csrf_token !== req.session.csrf_token) {
    return res.status(403).send('CSRF token invalid');
  }
  // 正常な処理を継続
});

2. SameSite Cookie属性

Cookieの送信をファーストパーティコンテキストに制限することで、クロスサイトからのリクエストでセッションCookieが送信されることを防ぎます。

// SameSite属性の設定例
res.cookie('session', sessionId, {
  sameSite: 'strict', // または 'lax'
  secure: true,       // HTTPS必須
  httpOnly: true      // XSS対策
});

// Express.js session設定例
app.use(session({
  cookie: {
    sameSite: 'strict',
    secure: true,
    httpOnly: true
  }
}));

3. Origin/Refererヘッダー検証

リクエストの送信元を検証することで、信頼できるドメインからのリクエストかを確認します。

// Origin ヘッダー検証例
app.use((req, res, next) => {
  const origin = req.get('Origin');
  const referer = req.get('Referer');
  
  if (req.method === 'POST') {
    if (!origin && !referer) {
      return res.status(403).send('Missing origin header');
    }
    
    const allowedOrigins = ['https://example.com'];
    if (!allowedOrigins.includes(origin)) {
      return res.status(403).send('Invalid origin');
    }
  }
  
  next();
});

主要な対策手法のメリット・デメリット

CSRF対策には複数の手法があり、それぞれ実装コストと保護範囲が異なります。単独ではなく組み合わせて使うのが基本ですが、各手法の特性を理解しておくことが重要です。

  • CSRFトークン — メリット:最も確実で広く実績のある対策。デメリット:フォームやAPIごとにトークンの発行・検証ロジックを実装する手間がかかる
  • SameSite Cookie属性 — メリット:ブラウザ側で自動的に保護され実装コストが低い。デメリット:古いブラウザでは非対応の場合があり、正規のクロスサイト連携(決済連携等)が意図せずブロックされることがある
  • Origin/Refererヘッダー検証 — メリット:追加実装が比較的簡単。デメリット:プライバシー設定やプロキシ環境でヘッダーが送信されないケースがあり、単独では信頼性が低い
  • Double Submit Cookie — メリット:サーバー側でセッション状態を保持しないステートレスな実装が可能。デメリット:Cookie自体がXSSで盗まれると防御が突破される

フレームワーク別の実装

フレームワーク CSRF対策 実装方法
Django デフォルト有効 {% csrf_token %}テンプレートタグ
Ruby on Rails デフォルト有効 protect_from_forgeryメソッド
ASP.NET Core AntiForgeryToken @Html.AntiForgeryToken()
Spring Security デフォルト有効 CsrfConfigurer設定

現代的な対策の組み合わせ

🔒 推奨されるCSRF対策の組み合わせ

  • CSRFトークン: すべての状態変更操作に必須
  • SameSite=Strict Cookie: セッションCookieのクロスサイト送信を防止
  • Origin検証: 追加的な検証レイヤー
  • Double Submit Cookie: ステートレスなトークン検証

セキュリティテスト

CSRF脆弱性の検出には、以下のツールやアプローチが有効です:

# OWASP ZAP でのCSRF脆弱性テスト
# 自動スキャンでCSRF脆弱性を検出

# Burp Suite での手動テスト
# 1. 正常なリクエストをキャプチャ
# 2. CSRFトークンを削除または無効な値に変更
# 3. リクエストを再送信してレスポンスを確認

# curl での簡易テスト例
curl -X POST https://example.com/transfer \
  -d "to=attacker&amount=1000" \
  -H "Cookie: session=victim_session" \
  --referer "https://malicious.com"

関連技術

XSS

クロスサイトスクリプティング攻撃

CORS

クロスオリジンリソース共有

CSP

コンテンツセキュリティポリシー

CSRFとXSSの違い

CSRFとXSSはどちらもWebアプリケーションを狙う代表的な攻撃手法ですが、仕組みと対策は異なります。両者を混同すると対策が不十分になるため、違いを正しく理解することが重要です。

項目CSRFXSS
攻撃の仕組み認証済みユーザーになりすまし、意図しないリクエストを送信させる悪意あるスクリプトをページに注入し、ブラウザ上で実行させる
主な被害不正な送金・設定変更・データ削除などの状態変更操作Cookie窃取、セッションハイジャック、フィッシング誘導
主な対策CSRFトークン、SameSite Cookie、Origin検証入力値のエスケープ・サニタイズ、CSP(Content Security Policy)
関係性XSSが成功すると、CSRFトークンを盗まれCSRF対策が無効化される場合があるCSRFの前提条件を突破する手段として悪用されることがある

実務での活用シーン・注意点

受託開発やフリーランス案件でCSRF対策を扱う際の実務ポイントは以下の通りです。

  • フォーム・状態変更APIの実装時は必ずCSRF対策を組み込む:新規開発案件では、フレームワーク標準のCSRF保護機能(Django・Rails・Spring Security等)をデフォルトで有効にしたまま運用するのが基本
  • SPA+API構成では対策方法を要確認:SPAからのAPI呼び出しではCookieベース認証かトークンベース認証(Bearerトークン等)かによって、CSRF対策の要否・実装方法が変わる。トークンをlocalStorage等で管理しCookieを使わない構成ではCSRFリスク自体が低い場合がある
  • 既存システムの保守案件では対策の有無をまず確認:レガシーシステムの改修依頼を受ける際は、既存のCSRF対策の実装状況(トークンの有無、SameSite属性設定)を最初にチェックする
  • 注意点:GETリクエストで状態変更処理を行わない:GETは本来べき等であるべきで、状態変更をGETで実装するとCSRF対策の効果が薄れる設計上の問題につながる

2025〜2026年の最新動向

2025年はSameSite Cookie属性のデフォルトLax化により、CSRFリスクは大幅に低減。ただしクロスオリジン認証フローでの対策は引き続き重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. CSRFとは?

A. CSRF(Cross-Site Request Forgery)は、ユーザーが認証済みのWebサイトに対して、悪意あるサイトから意図しないリクエストを送信させる攻撃です。ログイン中のユーザーの権限で不正操作が実行されます。

Q. CSRFの対策方法は?

A. CSRFトークンの埋め込み、SameSite Cookie属性の設定、Referer/Originヘッダーの検証、重要操作での再認証が基本対策です。2025年はSameSite=Laxがデフォルトとなりリスクが低減しています。

Q. CSRFとXSSの違いは?

A. XSSは悪意あるスクリプトを注入して実行する攻撃、CSRFは認証済みユーザーになりすまして不正リクエストを送信する攻撃です。XSSが成功するとCSRF対策も無効化される場合があります。

Q. SPA(Single Page Application)でもCSRF対策は必要ですか?

A. Cookieベースの認証(セッションCookie)を使う場合はSPAでもCSRF対策が必要です。一方、認証トークンをlocalStorage等で管理しCookieを使わないAPI認証方式ではCSRFリスク自体が低くなりますが、代わりにXSSによるトークン窃取対策がより重要になります。

Q. SameSite Cookieを設定すればCSRFトークンは不要ですか?

A. SameSite=Strict/LaxはCSRFリスクを大幅に下げますが、ブラウザの対応状況や特殊なリンク遷移のケースを考慮すると、CSRFトークンとの併用が引き続き推奨されます。多層防御の考え方が基本です。

外部リンク・参考資料

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