IPv6(Internet Protocol version 6)

ネットワーク技術 | IT用語集

IPv6とは

IPv6(Internet Protocol version 6)は、現在のインターネットで主に使用されているIPv4の後継となる次世代インターネットプロトコルです。IETF(Internet Engineering Task Force)によってRFC 8200として標準化されています。IPv4の32ビットアドレス空間(約43億個)では、IoT機器やモバイルデバイスの爆発的増加に対応できなくなったため、128ビットのアドレス空間(約340澗、3.4×1038個)を持つIPv6が開発されました。

IPv6は単なるアドレス空間の拡大にとどまらず、セキュリティ(IPsecの標準装備)、自動設定(SLAAC)、効率的なルーティング(簡素化されたヘッダー)など、多くの改良が含まれています。

IPv6アドレスの表記法

IPv6アドレスは128ビットを16ビットずつ8グループに分け、各グループを16進数で表記しコロン(:)で区切ります。

  • 完全表記:2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001
  • 省略表記:各グループの先頭の0を省略 → 2001:db8:0:0:0:0:0:1
  • ゼロ圧縮:連続するゼログループを::で表記 → 2001:db8::1

主なIPv6アドレスの種類には、ユニキャスト(1対1通信)、マルチキャスト(1対多通信)、エニーキャスト(最寄りのノードに通信)があります。ブロードキャストはIPv6では廃止され、マルチキャストで代替されています。

IPv4とIPv6の比較

項目IPv4IPv6
アドレス長32ビット(約43億個)128ビット(約340澗個)
表記例192.168.1.12001:db8::1
NAT必須(アドレス不足のため)不要(エンドツーエンド通信可能)
IPsecオプション標準装備
自動設定DHCPが必要SLAAC(ステートレス自動設定)
ヘッダー可変長(オプションフィールド)固定40バイト(拡張ヘッダーで追加)
ブロードキャストありなし(マルチキャストで代替)

IPv6への移行方式

IPv4からIPv6への移行は、以下の3つの主要な方式で進められています。

  • デュアルスタック:IPv4とIPv6の両方のプロトコルスタックを同時に運用する方式。最も一般的で、段階的な移行に適しています。多くのOSやルーターがデフォルトでデュアルスタック対応しています。
  • トンネリング:IPv6パケットをIPv4パケット内にカプセル化して転送する方式。6to4、ISATAP、Teredoなどの技術があります。IPv4のみのネットワークを経由してIPv6通信を実現します。
  • NAT64/DNS64:IPv6専用ネットワークからIPv4リソースにアクセスするための変換技術。モバイルキャリアのIPv6 Only環境で広く採用されています。

IPv6とIoT・5G時代

IoT(Internet of Things)時代には、数十億〜数百億のデバイスがインターネットに接続されると予測されています。IPv4のアドレス空間ではこれらすべてにグローバルアドレスを割り当てることは不可能ですが、IPv6であれば地球上のすべてのデバイスに固有のアドレスを付与できます。

5Gネットワークでは、mMTC(多数同時接続)により1km²あたり100万台のデバイス接続が想定されており、IPv6はその基盤技術として不可欠です。IPv6のSLAAC(ステートレスアドレス自動設定)により、DHCPサーバーなしでデバイスが自動的にアドレスを取得できるため、大規模IoTネットワークの管理が効率化されます。

2025-2026年の最新動向

IPv6 Only環境の拡大が加速しています。Apple、Googleはアプリストアに提出するアプリにIPv6対応を義務付けており、多くのモバイルキャリアがIPv6 Only+NAT64環境に移行しています。日本でも楽天モバイルがIPv6ネイティブ接続を標準としています。

SRv6(Segment Routing over IPv6)の実用化が進んでいます。IPv6拡張ヘッダーを利用してネットワーク上のパケット経路を柔軟に制御する技術で、SDNの次世代技術として大手通信キャリアが導入を進めています。

2025年時点で世界のIPv6普及率は約45%、日本は約55%に達しています。Google、Facebook、Netflix等の主要サービスはIPv6に完全対応しており、IPv6トラフィックの比率は年々増加しています。

関連技術と用語

  • DNS - AAAAレコードによるIPv6アドレスの名前解決
  • 5G - IPv6を前提とした次世代モバイル通信
  • VPN - IPv6対応のVPNトンネリング
  • SDN - SRv6によるIPv6ベースのネットワーク制御
  • HTTP/3 - IPv6上で動作する最新Webプロトコル

外部リンク

よくある質問(FAQ)

Q. IPv6とは何ですか?

IPv6はIPv4の後継となる次世代インターネットプロトコルです。128ビットのアドレス空間により約340澗個のアドレスを提供し、IoTデバイスの爆発的増加にも対応できます。

Q. IPv6とIPv4の主な違いは?

アドレス長がIPv4の32ビットからIPv6の128ビットに拡大。NAT不要、IPsec標準装備、自動アドレス設定(SLAAC)など多くの改良が含まれています。

Q. IPv6への移行方法は?

デュアルスタック(IPv4/IPv6両対応)、トンネリング、NAT64/DNS64が主な方式です。現在はデュアルスタックが最も一般的です。

Q. 日本のIPv6普及率は?

2025年時点で約55%です。NTT東日本・西日本のフレッツ光やモバイルキャリアで対応が進み、主要サービスもIPv6に完全対応しています。

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