HTTP/3とは
HTTP/3は、2022年に標準化された最新のHTTPプロトコルです。従来のTCPの代わりにQUICプロトコルを使用することで、より高速で効率的なWeb通信を実現します。特に、モバイルネットワークや不安定なネットワーク環境での性能向上が期待されています。
QUICベースのアーキテクチャ
HTTP/3は、GoogleによGoogle開発されたQUICプロトコルをベースとしています。QUICはUDP上で動作し、TCPとTLSの機能を統合することで、接続確立時間を大幅に短縮します。0-RTT（Zero Round Trip Time）により、再接続時にはデータの送信を即座に開始できます。
ヘッドオブラインブロッキングの完全解決
HTTP/2では、アプリケーション層でのヘッドオブラインブロッキングは解決されましたが、TCP層での問題は残っていました。HTTP/3ではQUICを使用することで、この問題が完全に解消され、パケット損失が発生しても他のストリームに影響を与えません。
接続マイグレーション
HTTP/3の重要な特徴として、接続マイグレーション機能があります。モバイルデバイスがWi-Fiから4G/5Gネットワークに切り替わった場合でも、接続を維持できます。これにより、ユーザー体験が大幅に向上します。
セキュリティの向上
HTTP/3では、暗号化がデフォルトで有効になっています。QUICプロトコル自体にTLS 1.3が組み込まれており、通信の機密性と完全性が保証されます。また、接続確立とセキュリティハンドシェイクが同時に行われるため、効率的です。
現在の普及状況
HTTP/3は、Google、Facebook、Cloudflareなどの大手企業によって積極的に導入されています。主要なWebブラウザもサポートを開始しており、今後の普及が期待されています。ただし、一部のファイアウォールやロードバランサーでのサポートはまだ限定的です。