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Bitbucketとは
Bitbucketは、Atlassian社が提供するWebベースのバージョン管理サービスです。2008年にJesper Nøhrによって設立され、2010年にAtlassianに買収されました。GitとMercurialの両方をサポートしていましたが、現在はGitに特化したサービスとして提供されています。
Bitbucketの最大の特徴は、Atlassianエコシステムとの深い統合です。Jira、Confluence、Trelloといった他のAtlassian製品とシームレスに連携することで、プロジェクト管理からコード管理まで一元化できる環境を提供しています。
特にエンタープライズ環境での利用に重点を置いており、セキュリティ、コンプライアンス、チーム管理機能が充実しているのが特徴です。
主な機能
1. Git リポジトリ管理
- プライベートリポジトリ:無料プランでも無制限のプライベートリポジトリ
- ブランチ管理:ブランチ権限とマージ戦略の細かい制御
- プルリクエスト:コードレビューとマージ承認プロセス
- フォーク機能:リポジトリのフォークと上流への貢献
2. Atlassian製品との統合
- Jira連携:Issue追跡とコミットの自動リンク
- Confluence統合:ドキュメント管理との連携
- Trello統合:カードベースのタスク管理
- Bamboo連携:CI/CDパイプラインの実行
3. CI/CD機能
- Bitbucket Pipelines:クラウドベースのCI/CDサービス
- Docker統合:コンテナベースのビルド環境
- デプロイ環境:ステージング、本番環境への自動デプロイ
- パイプライン設定:bitbucket-pipelines.ymlでの設定管理
4. セキュリティ・管理機能
- ブランチ権限:ブランチごとのアクセス制御
- IP制限:IPアドレスベースのアクセス制限
- 二要素認証:2FAによるセキュリティ強化
- 監査ログ:セキュリティイベントの追跡
GitHubとの違い
主な相違点
エコシステム統合
- Bitbucket: Atlassian製品との深い統合
- GitHub: より広範囲のサードパーティ統合
対象ユーザー
- Bitbucket: エンタープライズ・チーム開発重視
- GitHub: オープンソース・個人開発者重視
料金体系
- Bitbucket: ユーザー数による従量課金
- GitHub: シート数と機能による階層課金
コミュニティ
- Bitbucket: エンタープライズユーザーが中心
- GitHub: 世界最大のオープンソースコミュニティ
Atlassian製品との連携メリット
1. Jiraとの統合
- Smart Commit:コミットメッセージでJira Issueを自動更新
- 開発情報の可視化:Jira Issue画面でブランチ・プルリクエスト状況を確認
- リリース管理:Jiraのリリースノートと連携
- トレーサビリティ:要件からコードまでの追跡可能性
2. Confluenceとの統合
- ドキュメント連携:技術文書とコードの関連付け
- API文書:READMEやWikiの自動更新
- アーキテクチャ図:設計書との整合性維持
- 知識共有:チーム内での情報共有促進
3. 統一認証・権限管理
- SSO(Single Sign-On):Atlassian製品間での統一認証
- 権限継承:Jiraプロジェクトの権限をBitbucketリポジトリに継承
- 一元管理:ユーザー・グループ管理の効率化
- 監査統合:全製品の活動ログを統一監査
使い方とベストプラクティス
1. 企業でのセットアップ
- Atlassian Account設定:組織アカウントの作成
- Jira連携設定:プロジェクトとリポジトリの関連付け
- 権限設計:チーム構成に合わせた権限設定
- ブランチ戦略:Git FlowやFeature Branchワークフローの採用
2. 開発ワークフロー
- Jira Issue作成:機能要求やバグ報告をJiraで管理
- ブランチ作成:Issue番号を含むブランチ名で作業開始
- Smart Commit:コミット時にJira Issueを自動更新
- プルリクエスト:コードレビューとマージ承認
3. セキュリティ設定
- ブランチ保護:masterブランチへの直接プッシュを禁止
- マージチェック:ビルド成功とレビュー完了を必須化
- アクセス制御:チーム・プロジェクトごとの権限設定
- 二要素認証:全ユーザーに2FA設定を推奨