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「日本語でお願いしたのに、なんでこんな顔になるの!?」――そんな嘆きから、この検証は始まりました。
日本語プロンプトでスタートダッシュ大失敗
こんにちは、野口です。朝のSlackに届いたのは、制作チームの悲鳴混じりのスクリーンショット。「昨日のデータセンター案件、どうしても顔が崩れるんです…」と添えられた画像を見ると、人物の骨格がゆがみ、背景ラックもぼんやり。生成条件は、1ドルで約700枚・1枚あたり体感1秒・コマンドはcurl一行という、いつもの鉄板ワークフローです。それでも、日本語で書いたプロンプトではどうしても“あと一歩”を越えられませんでした。
言葉を足しても構図指定を替えても、主役はピントが合わず、サブのケーブルが急に目立つ。ここで思い出したのが、2025年10月27日のFireworks検証記事に残していたメモ。「モデルは英語で最適化されている」。半信半疑で英語化してみたところ、わずか数十秒でチームの空気が一変しました。
英語に訳した瞬間、“これだ!”が画面に並んだ
実験はとてもシンプル。プロンプト内容はそのままに、言語だけ日本語→英語へ置き換えました。翻訳にはAPIで呼び出す別モデルを使い、最後に人間の目でニュアンスを微調整。それだけでFireworksが返してきたのは、クライアント提案に即投入できる一枚だったのです。
打ち合わせでこの比較を見せた瞬間、「本当に言語だけ?」と驚きの声。シード値もaspect_ratioも、guidance_scaleもすべて固定したままと伝えると、さらにどよめきました。Fireworksは、こちらの言葉選びに想像以上に正直だったのです。
なぜ英語プロンプトが効くのか?納得の3ポイント
今回のケースで分かった「英語にすると伸びる理由」を、現場の肌感で3つに整理しました。
- 語彙の粒度がそろう:「整然としたサーバーラック」より、
orderly server rackのほうがモデル内部のベクトルにピタッと合い、曖昧さが残りません。 - 情緒表現が整理される:日本語は丁寧語や比喩が混ざりがち。英訳を通すことで、情報がスッキリ骨組みだけになります。
- 再利用がラクになる:英語プロンプトは海外パートナーとも共有しやすく、追加カットや別案件への転用がスムーズ。連携コストがぐっと下がります。
今日から試せる翻訳プロンプトのコツ
「英語が良いのは分かったけど、毎回ゼロから書くのは大変…」という声にお応えして、私が回している簡単3ステップをご紹介します。
- 日本語でラフを書く:箇条書きでOK。「誰が」「どこで」「どんな雰囲気で」の3点を押さえましょう。
APIで英訳する:任意の翻訳モデルに投げ、戻ってきた英語をコピー。固有名詞だけは人の目で要チェックです。- Fireworksへ投入:
curlを使ったリクエストならテキストを貼り替えるだけ。生成に1秒かかる間に、次の構図案を考えられます。
この流れに慣れてしまえば、プロンプト整形の所要時間は30秒ほど。なのに、リタッチの手戻りは70%以上減りました。
ワークフロー共有:実際に使った英語プロンプト
参考までに、今回の案件で採用した英語プロンプトの骨子を共有します。細部は案件ごとに調整できるよう、汎用性を意識した書き方です。
Two Japanese IT engineers in a modern data center, mentor guiding junior.
- focus on natural facial expressions and eye contact
- balanced lighting in cool blue tones
- sharp server racks with visible cables, high detail
ポイントは「1文+補足」に分けること。Fireworksはハイフンの箇条書きとの相性が良く、構図・表情・質感それぞれのリクエストがバランス良く伝わります。もちろん、guidance_scaleやnegative_promptなど数値の微調整も大切ですが、まずは言語のチューニングから。これだけで結果がガラッと変わります。
まとめと次の一歩
今回の気づきは、とてもシンプル。「日本語で微妙だったら、とりあえず英語に訳してみる」。Fireworksはスピード命のモデルだからこそ、こちらも素早くボトルネックを取り除きたい。その第一歩として、プロンプト翻訳をルーティン化してみませんか?
さらに詳しいセットアップやcurlコマンド一行での実行方法は、引き続き2025年10月27日の記事でまとめています。まだ.envにFIREWORKS_API_KEYを登録していない方は、そちらも合わせてどうぞ。チームのチャットが「英語にしたら化けた!」で盛り上がる日が、きっとすぐそこに待っています。
